私を形成する『影』の部分。
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父 5
真冬の小雪が舞う中、厳かに父の葬儀は執り行われた。
皮肉にも私の結婚式の時に撮った、満面の笑みを浮かべて
いる父のスナップ写真が『遺影』として使用されたのだ。

参列者の中には、父が倒れる直前まで一緒に勤務して
いたという女性が居り、職場での父の話を聞かせてくれた。

父は甥の葬式当日に職場で残務整理などしていたようだが
女性が「早くご家族の元へ帰宅して下さい」と促しても
父は「帰宅しても自分にできる事が無い」と言ったそうだ。

父は目を真っ赤にして、非常に憔悴した様子だったらしい。
『脳梗塞』を起こすほど心身にダメージを受けたのだろう。

父の葬儀中、私は人目をはばかることなく号泣していた。
しかし『喪主』であった母は、父を最期まで送らないと
いけないという使命感からか、終始気丈に振舞っていた。

灰になった父の骨は、とても頑丈そうで綺麗なものだった。

実家は父を介護しやすいようにリフォームを施していた。
父は亡くなる年の正月に一度だけ、実家へ帰宅して過ごしたが
二度目の帰宅は、父自身の『形』が変わってからとなった。

もう元の『形』の父は、どこを探しても見つけることは出来ない。
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