私を形成する『影』の部分。
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父 3
いつ父の容態が急変するかわからないので、その日
から、私達家族は途切れることなく父の傍に居た。

酸素マスクをしている父の呼吸は荒いままで、時折水を
含ませたガーゼで口周りを拭いたりして、口の渇きを潤し
ていたが、そんな事より私は父に何か食べさせたかった。

父は10日間も食事を与えられていないのだ。何でも
好き嫌い無く食していた父だけに、可哀相で仕方がない。

既に父は自力では起き上がることが出来なくなっていた。

オムツを取替えるため、たまに看護婦に身体を起こされて
いたが、父の腰には『床ずれ』が出来ていた。私は『床ずれ』
が出来た人間は『死んでしまう』と聞いた話を思い出した。

父の両足は血液が回らなくなったのか冷たくなり、所々に
『斑点』が出来始めた。母は身内が父の最期に会いに来る度に
父の足元の布団を剥いで、足の状態を見せ説明していた。

やがて父は尿が止まってしまった。おそらく腎機能が停止
してしまったのだろう。以降は順次、各機能が停止して行く。

本当に『脳』というのは『精密な機械』であると思う瞬間だった。
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