私を形成する『影』の部分。
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小さな命 5
葬式での甥の棺は、とても小さいものだった。

私は悲しくて悲しくて、一体どこからこれほどの
水分が出てくるのだろうというくらい涙を流した。

何故こんな事になってしまったのだろう。

産まれてからわずか数ヶ月しか経っていない甥が
一体どんな大罪を犯したというのか。

甥はこれから美味しい物を食べて、嬉しい思いや悲しい思いを
して成長してゆく権利が有ったのに、なぜこんなに短い期間で
人生を断ち切られてしまわなければならなかったのか。

私は今まで自分の好き勝手にやって来た人間だ。
もしも私の残された寿命を分けてやることが出来るなら
甥に分けてやりたいと心の底から思った。

今こうして回想しているだけで、涙が浮かんで来る。

甥の葬式の後、私と弟は両親と実家へ向かった。
突然起こった悲しい出来事に、みな言葉数も少ない。

父はおもむろに台所へ立ち「飲まないとやってられない」と
言って少量の日本酒をコップに注ぎ、一気に飲み干した。
私達は黙ってその様子を見ていた。みな同じ気持ちだった。

しかしそれは私が最後に見た、『まとも』な父の姿となってしまった。
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