私を形成する『影』の部分。
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小さな命 1
電話口の母は震える声で「甥が危篤で病院へ担ぎ込まれた」と
言っていた。まだ産まれて半年も経っていない妹の息子だ。

甥が病気をしていたという話は、一切耳に入って来ていない。
一体何が有ったのだろう。私は急遽、勤務先スタッフとの
飲み会をキャンセルして、甥が担ぎこまれた病院へ向かった。

病院へ到着すると、地下の個室で私の両親と妹と医師が
何か話をしている。状況が飲み込めないが、みな表情が険しい。

医師は「直接体内に管を通して蘇生を試みるには
臓器があまりにも小さすぎて困難だ」と言っていた。

医師は「心臓が止まってからどれだけの時間が
経っているかわからない。万が一、命が助かっても
『植物状態』は避けられない」と言っていた。

甥の蘇生は断念せざるを得ない状況だった。

最悪の事態に母と妹はその場で泣き崩れた。

信じられないことが起こってしまった。笑うことを
覚え始めたあの可愛いかった甥が、産まれて半年も
経っていない小さな甥が死んでしまったのだ。

私は突然の出来事に、涙も出ない言葉も出ない。
ただ呆然とその場に立ち尽くしているだけだった。

少し遅れて妹の嫁ぎ先の義母と義妹が駆けつけた。
個室の中の様子を見れば、最悪な事態であることは
一目瞭然だった。義母も義妹も嗚咽を上げ泣き崩れる。

まさにその場の状況は『地獄』そのものだった。
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