私を形成する『影』の部分。
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近くに住んでいた妹に第二子が誕生した。今度は
男の子だ。妹も私と同じく長男に嫁いでいたので
古いかもしれないが『後継ぎ』を出産したのである。

私は順調に出産していた妹がとても羨ましかった。

姪も可愛い顔をしていたが、産まれたばかりの甥も
身体は大きかったが、顔は小さくて可愛いかった。

姪は妹宅の近所に住む嫁ぎ先の両親と接する
ことが多く、そちらには懐いていたようだが
私の父にはあまり懐いていなかった。

たまに実家で、父が姪をお風呂に入れている時も
まるで虐待しているかのような泣き声を上げていた。

私は子煩悩な父がとてもかわいそうだった。

姪が自分に懐いていない分、父は甥の誕生を喜んだ。
きっと今度は懐かせようと意気込んでいたに違いない。

妹は姪を嫁ぎ先の両親に見てもらうことが多かったので
甥は頻繁に実家へ連れてきていたようだ。父はとても甥を
可愛がっていて、私はいつも見ていて微笑ましく思っていた。

私は『不妊治療』を止めていたが『妊娠』を諦めて
いた訳では無い。子供が欲しいとずっと思っており
子煩悩な父に早く可愛がってもらいたかった。

この頃の私は『妊娠』しないことを焦り始めていた。

今から少し前に自宅に有る写真を整理していると
甥の写真が出て来た。妹が産後に実家へ戻っていた時に
たまたまフィルムが余ったカメラで私が写したのだ。

小さな布団で寝ていた甥は、カメラを持って近づいた
私の気配を感じたのだろう。こちらを向いていた。
目をパッチリと見開いて、こちらを見ているのだ。

写真の甥もとても可愛い顔をしていた。

しかし私達親族は、そんな可愛い甥のすくすくと
成長してゆく姿を見届けることはできなかった。
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